○国立大学法人弘前大学の研究活動の不正行為への対応に関する細則
平成19年6月25日
制定細則第2号
(目的)
第1条 この細則は、国立大学法人弘前大学の研究活動の不正行為への対応に関する規程(平成19年規程第14号。以下「規程」という。)第27条に基づき研究活動の不正行為への対応について必要な事項を定める。
(1) 複数の研究者による研究活動の全容を把握?管理する立場にある代表研究者が、研究活動や研究成果を適切に確認する。
(2) 共同研究を行うに当たり、個々の研究者等がそれぞれの役割分担?責任を明確化する。
2 規程第7条に定める研究倫理教育責任者は、その管轄下の若手研究者の自立した研究活動の遂行を可能とするため、メンターを配置するなど、適切な支援?助言を受けることができる体制を整備するものとする。
(研究不正防止対策チーム)
第3条 研究者による不正行為の防止に関する実務を担当させるため、規程第6条に定める統括管理責任者(以下「統括管理責任者」という。)の下に、研究不正防止対策チーム(以下「RM―SIRT」という。)を置く。
2 前項に規定するRM―SIRTに関し必要な事項は、別に定める。
(調査を行う機関)
第4条 規程第3条に定める不正行為の告発があった場合、原則として本学が告発された事案の調査を行う。
2 被告発者が複数の大学、短期大学、高等専門学校、大学共同利用機関、国及び地方公共団体の直轄研究機関、独立行政法人、財団法人、社団法人及び企業等(以下「研究機関」という。)に所属し研究を行っている場合、原則として被告発者が告発された事案に係る研究を主に行っていた研究機関を中心に、所属する他の機関と合同で調査を行う。
3 被告発者が本学と異なる研究機関で行った研究に係る告発があった場合、本学と研究が行われた研究機関とが合同で、告発された事案の調査を行う。
(告発等の取扱い)
第5条 告発された事案について、本学が調査を行うべき機関に該当しないときは、前条により調査機関に該当する研究機関に当該告発を回付する。また、他研究機関より回付された場合は、本学に告発があったものとして当該告発を取扱う。
2 書面による告発等、受付窓口が受付けたか否かを告発者が知りえない方法による告発がなされた場合は、告発者(匿名の告発者を除く。)に受付けたことをso米直播する。
3 学会等の研究者コミュニティ又は報道により不正行為の疑いが指摘された場合は、匿名の告発があった場合に準じて取扱うものとする。
4 不正行為の疑いがインターネット上に記載されている(不正行為を行ったとする研究者?グループ、不正行為の態様等、事案の内容が明示され、かつ不正とする科学的な合理性のある理由が示されている場合に限る。)場合は、匿名の告発があった場合に準じて取扱うものとする。
5 告発の意思を明示しない相談については、その内容に応じ、告発に準じてその内容を確認、精査し、相当の理由があると統括管理責任者が認めた場合は、相談者に対して告発の意思があるか否か確認するものとする。これに対して告発の意思表示がなされない場合にも当該事案の調査を開始することができる。
6 不正行為が行われようとしている、あるいは不正行為を求められているという告発や相談については、その内容を確認、精査し、相当の理由があるとso米直播が認めたときは、被告発者に警告を行うものとする。
2 受付窓口に寄せられた告発の告発者、被告発者、告発内容及び調査内容について、調査結果の公表まで、告発者及び被告発者の意に反して調査関係者以外に漏洩しないよう、関係者の秘密保持を徹底する。
3 調査事案が漏洩した場合、告発者及び被告発者の了解を得て、調査中にかかわらず調査事案について公に説明することができる。ただし、告発者又は被告発者の責により漏洩した場合は、当人の了解は不要とする。
5 悪意に基づく告発であることが判明しない限り、単に告発したことを理由に、告発者に対し、解雇や配置転換、懲戒処分、降格、減給その他不利益な取扱いを行わない。
6 相当な理由なしに単に告発がなされたことのみをもって、被告発者の研究活動を部分的又は全面的に禁止したり、解雇や配置転換、懲戒処分、降格、減給その他不利益な取扱いを行わない。
(1) 告発された行為が行われた可能性
(2) 告発の際示された科学的合理性のある理由の論理性
(3) 告発された研究の公表から告発までの期間が、生データ、実験ノート、観察ノート、実験試料?試薬(以下「生データ等」という。)等研究成果の事後の検証を可能とするものについての各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間
(4) 被告発者が所属する研究機関が定める保存期間
(5) その他告発内容の合理性、調査可能性等
2 告発等がなされる前に取り下げられた論文等に対する告発等に係る予備調査を行う場合は、取り下げに至った経緯及び事情を含め、不正行為の問題として調査すべきものか否か調査し、判断するものとする。
3 最高管理責任者は告発を受け付けた後、概ね50日以内に本調査を行うか否か決定するものとし、告発がなされた事案が本格的な調査をすべきものと判断した場合、本調査を行う。
4 本調査を行わないことを決定した場合、最高管理責任者はその旨理由を付して告発者にso米直播する。この場合、予備調査に係る資料等を保存し、内閣府において「競争的研究費」と整理されているその担当機関(以下「配分機関等」という。)から資金の配分を受けている場合、当該配分機関等や告発者の求めに応じ当該資料等を開示するものとする。
(調査委員会の設置)
第8条 最高管理責任者は、規程第17条により調査委員会を設置したときは、調査委員の氏名や所属を告発者及び被告発者に示す。これに対し、告発者及び被告発者は、調査委員会設置のso米直播を受理した日から起算して10日以内に最高管理責任者に異議申立てをすることができる。異議申立てがあった場合、最高管理責任者は内容を審査し、その内容が妥当であると判断したときは、当該異議申立てに係る委員を交代させるとともに、その旨を告発者及び被告発者にso米直播する。
(so米直播、報告)
第9条 最高管理責任者は、本調査を行うことを決定した場合、告発者及び被告発者に対し、本調査を行うことをso米直播し、調査への協力を求める。告発された事案の調査に当たっては、告発者が了承したときを除き、調査関係者以外の者や被告発者に告発者が特定されないよう配慮する。
2 最高管理責任者は、当該事案に係る配分機関等及び関係府省に本調査を行う旨so米直播する。
3 最高管理責任者は、本調査の実施を決定した場合、予備調査結果報告の受理日から起算して概ね50日内に本調査を開始しなければならない。
(研究費の支出停止)
第10条 最高管理責任者は、本調査の実施決定後、調査委員会の調査結果の報告を受けるまでの間、告発された研究に係る研究費の支出を停止することができる。
(調査体制)
第11条 最高管理責任者は、本調査に当たっては、教育研究評議会に本学に属さない当該研究分野の研究者を含む調査委員会を設置する。この調査委員は、全調査委員の半数以上を外部委員で構成し、告発者及び被告発者と直接の利害関係(例えば、不正行為を指摘された研究が論文のとおりの成果を得ることにより特許や技術移転等に利害がある等)を有さない者でなければならない。
(調査方法)
第12条 本調査は、告発された当該研究に係る論文、生データ等の各種資料の精査や、関係者のヒアリング、再実験の要請等により行われる。この際、被告発者から弁明の聴取を行うものとする。
2 被告発者が調査委員会から再実験等により再現性を示すことを求められた場合、あるいは自らの意思によりそれを申し出て調査委員会がその必要性を認める場合は、それに要する期間及び機会(機器、経費等を含む。)に関し、合理的に必要と判断される範囲内において行うものとする。
その際、調査委員会の指導?監督の下に行うこととする。
3 前2項に関して、最高管理責任者は調査委員会の調査権限について定め、関係者に周知する。
この調査権限に基づく調査委員会の調査に対し、最高管理責任者は調査委員会の調査権限について定め、関係者に周知する。また、本学以外の機関から調査協力を要請された場合においても、誠実に協力しなければならない。
(調査の対象となる研究)
第13条 調査の対象には、告発等に係る研究のほか、調査委員会の判断により調査に関連した被告発者の他の研究をも含めることができる。
(調査時の保全措置)
第14条 最高管理責任者は、本調査を行うに当たって、告発に係る研究に関して証拠となるような資料等の保全措置をとる。
2 最高管理責任者は、前項の措置をとる場合には、事前に被告発者が所属する部局の長の承諾を得ることとする。
3 最高管理責任者は、第1項の措置に影響しない範囲であれば、被告発者の研究活動を制限しない。
(調査の中間報告)
第15条 最高管理責任者は、告発された事案に係る研究の予算の配分又は措置をした配分機関等の求めに応じ、調査の終了前であっても、調査の中間報告を当該配分機関等に提出するものとする。
(調査における研究又は技術上の情報の保護)
第16条 調査委員会は、調査対象のデータ、論文等又は技術上秘密とすべき情報を調査の遂行上必要な範囲外に漏洩しないよう十分配慮する。
(認定)
第17条 調査委員会は、本調査の開始後、概ね150日内に次の各号について調査を行う。
(1) 不正行為の有無
(2) 不正行為と判断された場合はその内容
(3) 不正行為に関与した者とその関与の度合
(4) 不正行為と認定された研究に係る論文等の各著者の当該論文等
(5) 前号による各著者の当該研究における役割
3 不正行為が行われなかったと判断される場合であって、調査を通じて告発が悪意に基づくものであることが判明したときは、調査委員会は、併せてその旨を最高管理責任者に対して報告する。この報告を行うに当たっては、告発者に弁明の機会を与えるものとする。
(不正行為の疑惑への説明責任)
第18条 調査委員会の調査において、被告発者が告発に係る疑惑を晴らそうとする場合には、自己の責任において、当該研究が科学的に適正な方法と手続に則って行われたこと、論文等もそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることを、科学的根拠を示して説明しなければならない。そのために再実験等を必要とするときには、その機会が保障される。
2 前項の被告発者の説明において、被告発者は生データ等、本来存在するべき基本的な要素の不足により証拠を示せない場合は不正行為とみなすものとする。ただし、被告発者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらずその責によらない事由により、上記の基本的な要素を十分に示すことができなくなった場合等正当な理由があると認められる場合はこの限りではない。また、生データ等の不存在が、各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間や被告発者が本学又は告発等に係る研究を行っていたときに所属していた研究機関の定める保存期間を超えることによるものである場合についても同様とする。
(不正行為か否かの判断)
第19条 調査委員会は、前条第1項により被告発者が行う説明を受けるとともに、調査によって得られた、物的及び科学的証拠、証言、被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、不正行為か否かをso米直播に対して報告する。証拠の証明力は、調査委員会の判断に委ねられるが、被告発者の研究体制、データチェックのなされ方など様々な点から故意性を判断するものとする。なお、被告発者の自認を唯一の証拠として不正行為と判断しないものとする。
被告発者の説明及びその他の証拠によって、不正行為であるとの疑いが覆されないときは、不正行為と判断される。また、被告発者が前条第2項に定める本来存在するべき基本的な要素の不足により、不正行為であるとの疑いを覆すに足る証拠を示せないときも同様とする。
(調査結果のso米直播及び報告)
第20条 規程第19条に定める調査結果のso米直播は、速やかに告発者及び被告発者(被告発者以外で不正行為に関与したと認定された者を含む。以下同じ。)に対して行う。
被告発者が本学以外の機関に所属している場合は、これらに加え当該所属機関に当該調査結果をso米直播する。
2 最高管理責任者は、前項に加えて配分機関等及び文部科学省に、当該調査結果をso米直播する。
告発等がなされる前に取下げられた論文等に係る調査で、不正行為があったと認定されたときは、取下げ等研究者が自ら行った善後措置や、その措置をとるに至った経緯、事情等をこれに付すものとする。第1項の後段の場合も同様とする。
3 悪意に基づく告発との認定があった場合、最高管理責任者は告発者の所属機関の長にもso米直播する。
(不服申立て)
第21条 規程第20条に定める不服申立ては、申立ての可能な期間内であっても、同一理由により繰り返すことはできない。
2 告発が悪意に基づくものと認定された告発者(被告発者の不服申立ての審査の段階で悪意に基づく告発と認定された者を含む。)は、その認定について規程第20条に準じて不服申立てをすることができる。
3 不服申立てによる再調査を行う際、その趣旨が新たに専門性を要する判断が必要となる場合には、最高管理責任者は、調査委員の交代若しくは追加、又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせる。ただし、最高管理責任者が当該不服申立てについて調査委員会の構成の変更等を必要とする相当の理由がないと認めるときはこの限りではない。
4 調査委員会は、不服申立ての趣旨、理由等を勘案し、再調査を行うか否かを速やかに決定するものとする。
当該事案の再調査を行うまでもなく、不服申立てを却下すべきものと決定した場合は、直ちにso米直播に報告し、最高管理責任者は告発者もしくは被告発者へ当該決定をso米直播する。
このとき、当該不服申立てが決定事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的とすると調査委員会が判断する場合は、最高管理責任者は以後の不服申立てを受け付けないことができる。
5 規程第20条に基づく不服申立てにより、再調査を行う決定をした場合には、調査委員会は、被告発者に対し、先の調査結果を覆すに足る資料の提出等、当該事案の速やかな解決に向けて、再調査に協力することを求める。
その協力が得られない場合には、再調査を行わず、審査を打ち切ることができる。
その場合には、直ちに最高管理責任者に報告し、最高管理責任者は被告発者に当該決定をso米直播する。
6 最高管理責任者は、被告発者から不正行為の認定に係る不服申立てがあったときは、告発者にso米直播する。
加えて、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。不服申立ての却下及び再調査開始の決定をしたときも同様とする。
7 第5項により再調査を行う決定をした場合、調査委員会は、再調査を開始してから50日以内に、先の調査結果を覆すか否かを決定し、その結果を直ちに最高管理責任者へ報告し、最高管理責任者は当該結果を被告発者、被告発者が所属する機関及び告発者にso米直播する。
加えて、最高管理責任者は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省へ報告する。
8 第2項により、悪意に基づく告発と認定された告発者から不服申立てがあった場合、最高管理責任者は、告発者が所属する機関及び被告発者へso米直播する。
加えて、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。
9 前項により再調査を行う決定をした場合、調査委員会は、当該決定後30日以内にその結果を最高管理責任者へ報告する。
最高管理責任者は、当該結果を告発者、告発者が所属する機関及び被告発者にso米直播する。
加えて、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。
(調査資料の提出)
第22条 最高管理責任者は、配分機関等及び文部科学省から、事案の調査継続中、当該事案に係る資料の提出又は閲覧を求められた場合においても、調査に支障がある等正当な事由がある場合には、これを拒むことができる。
(調査結果の公表内容)
第23条 規程第24条第1項に定める調査結果の公表内容には、不正行為に関与した者の氏名、所属、不正行為の内容、調査機関が公表時までに行った措置の内容、調査委員の氏名、所属及び調査の方法や手順等を含むものとする。ただし、告発等がなされる前に取り下げられた論文等において不正行為があったと認定されたときは、不正行為に係る者の氏名、所属を公表しないことができる。
2 規程第24条第2項に定める公表内容には、不正行為は行われなかったこと(論文等に故意によるものでない誤りがあった場合はそのことも含む。)、被告発者の氏名、所属に加え、調査委員の氏名、所属、調査の方法や手順等が含まれる。悪意に基づく告発の認定があったときは、告発者の氏名、所属を併せて公表する。
(部局長等への対応)
第24条 当該不正認定者の部局長等に管理責任があると認められるときは、国立大学法人弘前大学職員就業規則に照らし別途必要な処置を講ずる。
(1) 不正行為に係る疑惑が生じた際に講じた措置の解除
(2) 全ての調査関係者へ被告発者の発表論文等が適正であったことのso米直播
(3) 被告発者の不利益発生防止策の実施並びに名誉回復にかかる措置(必要に応じて公表も含む。)
(4) その他必要な措置
(調査協力者に不利益をもたらす行為の阻止)
第26条 役職員は、不正行為の調査等について協力しなければならない。
2 最高管理責任者は、不正行為の対応及び措置に関し、調査協力者が不利益を受けることのないよう十分に配慮するものとする。
附則
この細則は、平成19年6月25日から施行する。
附則(平成21年2月9日)
この細則は、平成21年2月9日から施行する。
附則(平成27年3月20日細則第12号)
この細則は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成27年9月14日細則第28号)
この細則は、平成27年10月1日から施行する。
附則(令和2年7月10日細則第16号)
この細則は、令和2年7月10日から施行する。
附則(令和4年6月16日細則第12号)
この細則は、令和4年6月16日から施行する。
附則(令和4年9月28日細則第24号)
この細則は、令和4年10月1日から施行する。