弘前大学大学院理工学研究科の丹波 澄雄 客員研究員らによる、弘前ねぷた位置情報発信システムの実証実験を、昨年度に続き2025年度も実施します。
本システムは、すべての参加ねぷたにGNSS(全球測位衛星システム)機器を搭載し、各ねぷたの現在位置をWeb上でリアルタイムに表示するもので、運行状況の可視化と円滑なまつり運営に寄与することを目的としています。
弘前ねぷた位置情報発信システムとは?
弘前の夏まつりである弘前ねぷたまつりでは、毎年延200台以上のねぷた山車が運行されます。しかし、各ねぷたの運行スケジュールは当日の運行直前まで確定しないため、出発時刻が不明確という課題がありました。
本システムは、各ねぷたの現在位置をリアルタイムで地図上に表示することで、ねぷた自身が正確に位置を把握できるようにし、予定時刻からの遅れを確認することで定時運行の維持を可能にします。
また見物客はスマートフォンなどで推しのねぷたの位置を事前に確認できるため、効率的かつ安全に祭りを楽しむことができます。さらに交通管理者にとっては、ねぷたの移動に伴う交通規制のための有益な情報源となります。
システム開発の歩み
本システムは、2019年度に初めて弘前大学ねぷたにGNSS機器を搭載して動作確認実験を行ったことから始まりました。
- 2022年度:新型コロナ対策の一環として、弘前青年会議所と連携し、16台のねぷたで試験運用を実施。
- 2023年度:弘前市「市民参加型まちづくり1%システム」の支援を得て、合同会社ミーモテックと共同で搭載機器を30台に倍増。
- 2024年度:同様の体制で全ての参加ねぷた(66台)に機器を搭載。
- 2025年度:昨年度と同様、全ての参加ねぷた(67台)に機器を搭載して実施予定。
通信方式と公開について
GNSS機器で計測した位置情報の送信には、弘前大学が構築したLoRa通信網を使用しています。LoRa通信は免許不要で基地局を利用者が自由に設置できることから通信料金は発生せず、低コストで運用可能な通信方式です。通信品質を高めるため、既存の受信機に加え、移動型LoRa受信機4機も運用されます。
位置情報はWeb上で一般公開され、スマートフォンなどから誰でも確認できます。
アクセス先の二次元コードは、若手絵師2名のねぷた絵を採用したオリジナルうちわにも掲載されます。うちわは昨年同様、土手町コミュニティパーク、弘前市立観光館のほか、駅の弘前市観光案内所や市内のホテル、銀行などで、延べ800枚の配布を予定しています。このうちわを通じて、地域の方々や観光客の方々が、より手軽にシステムを利用できるよう工夫しています。
公開情報
■ 公開期間:2025年8月1日(金)~6日(水)
■ アクセス先: https://ibentomitsuketa.com/hirosaki-neputa-gps2025/?utm_source=qrcode&utm_campaign=spring_event&utm_id=qr_neputa2025
関係者(所属?氏名)
弘前大学大学院理工学研究科 丹波 澄雄(客員研究員)
弘前大学大学院理工学研究科 金本 俊幾 教授、藤﨑 和弘 准教授
弘前大学 研究?イノベーション推進機構 山科 則之 講師
お問い合わせ先
弘前大学大学院理工学研究科 客員研究員 丹波 澄雄
TEL:0172-39-3725
Email:tanbahirosaki-u.ac.jp