弘前さくらまつり駐車場空き情報収集?公開社会実証実験
弘前さくらまつりの駐車場空き情報をリアルタイムで提供します。
本件のポイント
- 弘前さくらまつり期間(4/23~5/5)に観光客が利用する駐車場の空き情報を収集して、Web経由で発信する社会実証実験の3回目の事業である。
- 対象駐車場は弘前公園周辺の5箇所、および弘南鉄道沿線の駅駐車場4箇所である。前者では、IoTセンシングシステムを利用した自動計測とLPWA通信を用いたデータ送信を行う。後者では、ライブカメラシステムによる駐車場の混雑状態画像を発信する。
本件の概要
弘前市の弘前公園で開催される弘前さくらまつりには例年200万人以上の観光客が様々な移動手段によって訪問する。乗用車を利用する場合、駐車場の確保が重要な問題となる。市内には多くの駐車場が存在しているが、城下町特有の道路事情により外来の観光客にとっては見つけ難く、また辿り着けたとしても空きがある保証はない。
令和元年度には弘前公園周辺の大規模な4箇所の駐車場と休日のみ運営する駐車場2箇所と民間駐車場1箇所、および弘南鉄道大鰐線の駅の駐車スペース4箇所の空き情報をリアルタイムで収集し、発信する社会実証実験を連休期間の3日間に渡って実施した。インターネット経由で情報を公開するシステムは青森県(弘前市協賛)のオープンデータ利活用人財育成講座で平成29年度に作成したものをベースにしている。情報の収集にはIT技術を用いた駐車場の入出車台数を自動計測するシステムを開発して利用した。また、まつり期間中は公園周辺や市内の主要道路で渋滞が発生しているので、祭り実行委員会が一つの対策として実施している遠隔地駐車場と公共輸送機関を利用するパーク&ライドを後押しするために、弘南鉄道大鰐線の駅の駐車スペースに監視員を配置して、目視によって駐車可能台数を把握し人手でシステムに入力を行った。
今年度は表1、表2に示す9箇所の情報を表3に示す期間に渡って発信する予定である。市内の駐車場では自動計測を基本とするが、人手による情報収集は弘前観光コンベンション協会と弘前市スポーツ協会のご協力を得て実施する。弘南鉄道の駅の駐車スペースは従来の監視員の代わりにライブカメラシステムを設置して、発信された駐車場のリアルタイム画像を見ることによって利用者自身で駐車可能台数を把握して貰う方式とする。
収集された駐車場データはサーバ上で統合化処理が行なわれ、スマートフォンやタブレットなどのブラウザでアクセスできる地図上で即時公開する。リアルタイムに駐車場の空き情報が公開されることにより、観光客は駐車場探索のための無駄時間を節約でき、滞在時間が延びることで現地サービスの享受や物販の促進などが期待される。時間の節約はドライバーにとってのゆとりを生み出すことになり、安全な旅行に貢献することとなる。さらに、遠隔地の駐車場の利用が促進されることは、市内に流入する車の台数が減少することに繋がるので、渋滞の緩和に対する寄与も期待でき、渋滞が緩和されればその分無駄な時間の節約にも繋がる。また、遠隔地の駐車場周辺の観光資源にも目を向けられる機会でもあるため、地域の活性化への一歩ともなり得る。
なお、本実証実験は「令和4年度弘前市市民参加型まちづくり1%システム」対象事業となり実施にあたっての補助を受けている。また、ソフトウェアとハードウェアの試験開発は弘前大学丹波研究室と民間企業が協力して行っている。
■データの即時公開URL(公開期間:4/23~5/5):https://sakura.t-lab.st.hirosaki-u.ac.jp/
■プレスリリースは こちら(733KB)